たそがれおじいさん

 子供の名作絵本の登場人物「たそがれおじいさん」が、2004年の大統領選挙で下院議員のデニス・クシニッチを応援するために、20年の静寂を破ってやってきました。「こんな途方もない世の中には、とてつもない誠意をもってふるうまわなくちゃならんのだよ。」と彼は言いました。

 

真珠と大統領
「たそがれおじいさん」とのインタビュー
  インタビュアー:バーバラ・ヘレン・バーガー
  

 私は1975年に初めて「たそがれおじいさん」に会いました。私たちは友だちになって、彼はよく私のスタジオにやって来るようになり、そこで彼は私が絵本(『たそがれのおじいさん』1984年 フィルメル・ブックス刊)を創るのを手伝ってくれました。でも、彼が最近になってデニス・クシニッチを大統領候補として支持すると主張したときには、本当にびっくりさせられました。だって、私が知っている「たそがれさん」は、いつもほとんど話さない人だったのですから。「たそがれさん」の無口は静かな知恵なのです。実際とても静かなので、いまだに先生や親たちは、子供たちに「たそがれさん」の話を聞かせるときにはいつも、子供たちの上に舞い降りてくる静けさについて語るほどです。さて、いっぱい質問を抱えて、月が昇る前に「たそがれさん」に会うため、私は木々の間にある「たそがれさん」の家に立ち寄りました。

BHB: こんにちは、昔なじみさん! あなたはちっとも歳をとらないわね。
 GT: いやいや、お前さんが歳をとらないなら、わしだって歳をとるわけにはいかないさ。(笑い)

BHB: さて、冗談はこれぐらいにして…。私は、なぜあなたが声を上げたることにしたのか尋ねるためにきたのよ。
 GT: それは深い悲しみのせいじゃ。

BHB: どういうこと? 
 GT: わしは毎晩、お話をしてくれるお母さんやお父さんに子供たちが寄り添って、やがてお休みのキスをするのを見るのじゃ。そんな親子は幸運な親子じゃ。彼らは真珠のお月様の下で眠りにつく。お月様はその光をみんなの上に投げかけるのじゃ。だが、世界は平和ではない。この世の空気には、爆撃や発砲の煙と悲しみが満ちている。木々もわしにそう感じると言っておった。海の波でさえもそうじゃ。

BHB: 私の心も痛みを感じているわ。
 GT: 爆弾と銃のために死んでいく子供たちがいる。お月様はこの悲しみのすべてを見せられておるのじゃ。だが、お月様は他のものも見ているのじゃ。それは夢のようなものじゃ。何か良い夢のようなもので、わしは初め、ほとんど信じられない思いじゃった。

BHB: 教えて!
 GT: オハイオからやって来た、勇敢で真実を語る男がおるのじゃ。彼の名はデニス・クシニッチ。下院議員で大統領選挙に立候補しておる。お前さんも知ってのとおり、わしはいつもは穏やかな老人じゃ。だが、デニスの話を聞いたらわしはがらにもなく興奮してしまったのじゃ。彼は、平和省を創る計画を立てているのじゃ。ついに平和の省だ! どうして今まで誰も創ろうとしなかったのじゃろう? こんなことを思いつくなんて、なんと賢い大統領なんだろう! 何と素晴らしい大統領なんだろう! これはまさにこういうことなのじゃ。(たそがれさんは穏やかなこぶしでテーブルを叩きました。)
                  

BHB: ええ! 私もそう思うわ!
 GT: デニスの話を聞くたびに、わしは希望の火花が散るのを感じるのじゃ。彼は人々の中に灯りをともしておるのじゃ。そのことはわしに、世界中で何百万もの人々が夜の7時にロウソクに火をともし、沈黙の中に平和を祈ったあの晩を思い起こさせるのじゃ。一つ一つの灯りが「私たちは戦争を望まない。」という同じ思いをともしながら、小さな炎のすべてが一緒になったあの晩…。

 

BHB: 私はそこであなたを見かけたのよ。そして私は、子供たちの顔の上の金色の光を見たの…。
 GT: 悲しむべきことに、あの光が信じられない指導者たちがいたのじゃ。彼らは爆弾を信じた。彼らは戦争だけがわしらを守る方法だと言った。だがそれは真実に背くことじゃ。戦争になれば、どの子も安全でいられない。どこにいてもな。

BHBああ、私の仲良しさん、それは永久に変らないの?
 GT: そう、もしわしらが諦めたらな。だが、平和が、戦争がないというだけのことではないということを知っている男がいる。その男は平和が前向きな力だと言うのじゃ。その男は、平和に命をかけるほど勇敢で、わしらを悪夢から解き放とうと願っているのじゃ。彼はおそれない。わしらが平和を実現できることを知っているのじゃ。

BHB私はたくさんの人達がほんとうにデニスのことを好きだと言ってるのを聞いたことがあるわ。彼らは、デニスが言っていること全部が好きなの。でも彼らは、運動は実を結ばないと思っているの。「彼は決して選ばれないだろう。」って言ってるのよ。
 GT: わしらのもっとも崇高な夢は実現するのじゃ。毎日の終わりに、わしは手に小さな真珠をもって、はるばる海の果てまで歩いていく。一夫あるくごとにその真珠は少しずつ大きくなって、やがてはお月様になるのじゃ。わしは、手の中の真珠がお月様になるのを見つめるのじゃ。わしの仕事はそれを信頼することなのさ。だから、わしには何が出来ることなのか分かるのじゃよ。

BHB若い人へのメッセージはある?
 GT: ああ。まず、ありがとうと言いたいね。とても幼い頃からわしの友だちでいてくれたことにありがとうだ。君達若者の一人一人が、大きくなって、空へと昇っていくわしにとっての真珠のようなものさ。もう君達の中には投票できるものがおるじゃろう。自分自身の理想と夢の力を感じることじゃ。自分の子供を寝かしつけるのに、わしの話を読んで聞かせるときに、どんな世界であったらいいのか、考えてみることじゃ。

どうか諦めんでくれ。わしらの灯りをみんな集めよう。一緒に何とかしようじゃないか。今こそ民主主義を実現しようじゃないか! わしらはアメリカにも世界にも思いやりを持てるはずじゃ。

BHBそれに歓呼三唱! デニスは背が低すぎるって心配している人たちがいるけど、どう思う? (訳注:背が低い(short)は、資金不足を暗示している。)
 GT背が低いのはいいことじゃ。ガンジーは、そんなに背は高くなかった。

BHB2003年のガンジー平和賞がデニス・クシニッチに贈られたそうね。
 GTそのとおり。深い森のみんながその知らせを聞いたときの喜びようといったらなかったよ! 草の根っこから森で一番高い木まで、スタンディング・オベイションをしたのさ。

BHBわざわざ私のお話につきあってくれてありがとう。
 GTいやいや、どういたしまして。

バーバラ・ヘレン・リーは、数々の賞を受けた子供向け絵本で知られる作家です。代表作は、Grandfather Twilight (たそがれおじいさん)、 The Donkey's Dream (ロバの夢)、 A Lot of Otters (おおぜいのラッコたち)、All the Way to Lhasa: a Tale from Tibet (ラサへのはるかな道:チベットの物語から)


   森の生き物たちが、クシニッチのために署名

 木々の間で、午後7時―― 2004年の大統領選にデニス・クシニッチを支持するという声明に、クマが先頭を切って署名し、森の大小の生き物達がそれに続くと、ここの静けさは、突然騒がしいお祝いに変った。

 「チューモク! チューモク! この知らせを広めてください。お友だちに教えください。クチューコミで!」とネズミが言いました。

    


 クマは、猛々しく威厳ある声で言いました。「政治なんてくだらないと言うけれど、まあ、オレの言うことを聞いてみてくれないか。森の奥深くに入っていって、注意深く耳をそばだててくれ。何が聞こえるかな? ... "クシニッチを大統領に! クシニッチを大統領に!"」

                    

 

 

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