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イラクと経済 (Iraq and the Economy)

U.S. Representative Dennis J. Kucinich
Swearing-In Ceremony
Sunday, January 5, 2003
Cleveland, Ohio

アメリカ人であるみなさま、この式典では、民主主義国家に住む人々が持つ民主政治を作 るための力を思い出しましょう。あなた方が私をあなた方の中から、みなさまに仕える者 として真に引き上げてくださったのですから。あなた方は私に国家の任務をゆだねて下さ いました。私たちの権利を擁護する見張りとして立つように私に求めて下さいました。私 はあなた方に真実を話すことを求められているものと思います。たとえ、それを語ること が既存の経済構造、政治構造、社会構造のあり方に波を立てることになるとしても。私 は、謙遜を持って、決意を持って、あなた方の希望と信頼を受けとめます。私は、勇気を 持って、揺るぎ無い信念を持って、そして有権者であるみなさまへの愛、我が国への愛、 自由への愛、全世界の兄弟姉妹への愛を持って、日々の任務を続けて行きます。

私が心に描いているアメリカは、単独行動主義の代わりに世界調和を探求する国です。
最初に攻撃するのではなく、最初に助ける国であることによって影響力を持つ国です。
世界の人々の重荷を取り除くために手を差し伸べる国。
助けを求められたら、爆弾でなくパンを分配し、ミサイルでなく医療援助を、核物質でなく食糧を分配するのがアメリカです。

アメリカには世界での役割があります。
それは、全世界の平安を達成するために 世界の国々と連帯して努力することにあります。
あらゆる核兵器の全廃へ導く核不拡散条約の約束を回復することにあります。
国際秩序を保証するための助けをすることにあります。
国際条約を強化し、それに従って行動することにあります。
生物化学兵器と地雷の管理をし、最終的な撤廃を保証することにあります。
二酸化炭素排出の削減を世界各国と協力することにより 地球の気候を保護することにあります。

アメリカは世界を護る助けができます。
アメリカは世界を救う助けができます。
しかしアメリカは世界を支配管理することはできないし、また私たちもそれを望むべきでありません。

それなのに、私たちの政府はアメリカの力を支配する目的で放出しています。
その国家安全保障は、望むところはどこでも攻撃し、一番に核兵器を使うべき国としてのアメリカを求めています。

私たちの国は今、全力をあげてイラクと戦争しようと構えています。
イラクはアメリカに対していかなる侵略も攻撃も犯していません。
イラクは
9.11事件には責任がありませんでした。
イラクと
9.11事件のアルカイダを結ぶ信頼性のある証拠は何も存在しません。
我が国に対して起きた炭疽菌事件にイラクは責任がありませんでした。
イラクが使用可能な大量破壊兵器を保有しているという証拠立てを国連はまだしていません。
イラクがアメリカを攻撃できる能力があるという証拠は何もありません。
CIAによると、イラクはアメリカを攻撃する意図はないが、もし攻撃されれば自国を防衛するとのことです。

それではなぜ、我が国は
30万人もの、国の若い男女をバグダッドやバスラの市街戦に送り込もうと準備しているのでしょうか。
なぜ我が国は、私たちが一所懸命稼いで納めた税金の
2000億ドル以上をも、イラク破壊のために費やそうとしているのでしょうか。

なぜ、我が国は歴史上ないほどの強大な軍事力を使おうとしているのでしょうか。イラクの人々を襲撃するために。人々の家や建物を破壊し、水道や送電施設を壊滅し、食物や医療品を手にするのを妨げるために。
石油経済、兵器輸出の利益、歪んだ勢力拡張主義を抜きにその答えを見出すことはできません。

イラクとの戦争は間違っています。
しかし、もしイラクとの戦争が推し進められれば、私たちはこの国で平和の大義を前面に掲げなければなりません。
私たちは立ち上がり、はっきりと声を上げ、団体で系統立て、デモ行進し、戦争終結を要求し、戦争を強要する政府に終結を求めなければいけません。

私たちがこの戦争に反対することは急を要しています。
この戦争は国家の他の優先事項を支配するでしょう。
社会保障制度を脅かします。
医療保障制度を脅かします。
老人への処方薬給付金などの医療補助に影響を与えます。
アメリカが全ての人に仕事や医療や教育を与えることを妨害するでしょう。

戦争について政府に抗議するのは愛国心のないことであると信じる人たちがいます。
その人たちは経済問題を論じた方が政治的には利口だと思っています。
しかし、国家予算や経済、国民のニーズを満たすアメリカの能力等、どのようにすれば戦争をこれらから切り離して考えることができるでしょうか。

政府の経済顧問第一人者は、この戦争には
2000億ドルまで費やされると言いました。
連邦政府の予算は、高額所得者の大幅な減税により、すでに
2000億ドル近くの赤字となっています。
我々の財政が黒字であったのはいつのことであったか思い出せますか。

政府が戦争の話を持ち出す度に、懸念が生まれ、懸念が高まると、市場は下り坂になります。
戦争は石油価格の高騰を意味し、それは、製造業や運輸業にダメージを与えます。
ある経済研究によると、全力をあげて戦争し長期間イラクを占領した最も悪い状況を予測した場合、
16000億ドルかかるとのことです。

戦争を経済と切り離して考えることはできません。
戦争をアメリカの将来、アメリカの世界における役割、ここアメリカにいる私たち国民のニーズへの国の対応力 と切り離すことはできません。

私たちは次のような質問をする必要があります−

イラクの無実の人々の健康と生活を破壊するのに何千億ドルも費やすのに、アメリカ国民全員の健康管理のための医療補助に使うお金がないのはなぜなのか。

サダム・フセインを退かせるのに何千億ドルも使うのに、自国の人々の退職保証を保障するお金がないのはなぜなのか。

アメリカは、イラクのユ−フラテス川に架かる橋を爆破するお金を持ちながら、ここクリーブランドのクヤホガ川に橋を建設するお金は出せないのはなぜか。

アメリカがとるべき道は繁栄へ導く平和の道です。
平和構造を作ることは経済構造を健全にすることができ、人間の要求を当然のものとし、人間の価値を回復することを請け合うものである、ということがわかるような道です。


これが平和省の夢であり、それによってアメリカは非暴力を私たちの社会における組織の原則とすることに向けて第一歩を踏み出すこととなるのです。
マーティン・ルーサー・キング牧師の仕事を現実にすることができるのです。そして戦争自体を過去の事柄にするために動き出す第一歩です。
天から武器を降ろし、新しい可能性に満ちた天国を地球上に創造するために進むことを私たちにもたらすのは、この平和希求と平和創造の倫理です。


平和と繁栄が、国民の大義としてアメリカの人々の経済と社会の安定をもたらし、人類の大義として他の国の人々の経済と社会の発展をもたらす、新生アメリカの2つの柱となるのです。


国民の目標の確立はフランクリン・ルーズベルトとニューディール政策、リンドン・ジョンソンと偉大なる社会、ジョン・F・ケネディとニューフロンティア政策 の夢でした。
これはこの先も私たちの夢であり続けるでしょう。どんな闇の中にあっても、アメリカのより高い目標の灯りを掲げるべきです。それはワシントン、ジェファーソン、アダムズからリンカーンを経て今日に至る時代を通して私たちが呼びかけられていることです。


私たち国民は、
9.11の暗黒の時やそれに対する政府の対応にもかかわらず、常により高い使命感を持って来ました。平和な時のみならず危難にある時も民主主義や自由に対する探求心を維持し続ける使命です。私たちはそのさらなる高い使命を感じることができます。そのより高い使命感が私たちの遺産です。フランシス・スコット・キーの言葉がなおこだましています−
『星条旗は翻っているか、自由の土地と勇気あるものたちの住む場所に』
この中で彼は自由と勇気との結びつきを知らせました− 民主主義の中に生きるには勇気が必要とされるということを。テロリストに立ち向かい、基本的自由を守るには勇気が必要です。破壊に傾倒しているものがいる一方で、世界的な武装解除への道を進むには勇気が必要です。世界中の独裁者たちに向かい、彼らを降伏させるために爆撃を落とす気持ちに駆られないようにするには忍耐が必要です。大きな力を持ちながら世界の中でのその力を穏やかに使うには分別のある賢明さが必要です。


困難な環境や圧政的な政府下にある状況にかかわらず慎ましい生活を生きようとしている世界中の人々の窮状を理解するには思いやりが必要です。


みなさん。これはあなたの政府です。その運命がどのように描かれるのかあなたには発言する権利があります。その権利はまさに、自己統治を基本的な権利とする、私たちの独立宣言に由来しています。
政府はワシントン
DCだけで起きるのではありません。それは何千という市、町、村で起きる一連の過程の結果なのです。それはまた、私たちの心に起きるプロセスでもあり、それは国土への愛やお互いへの愛によって生まれるのです。
私にこれらの希望や夢を遂行させるのはみなさんの愛です。それを将来に向けて勇気を持って進めるつもりです。
ありがとうございました。

 

 

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